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エベレストベースキャンプでの仕事は危険。それでも私がやめられない理由

Working at Everest Base Camp Is Dangerous. Here’s Why I Can’t Stop.

エベレストベースキャンプでの危険な仕事:舞台裏の英雄たち
ヒマラヤでの登山、特にエベレスト登頂は、入念に準備された劇に例えられます。頂上へのアタックが最終幕であるとすれば、エベレストそのものは舞台に過ぎません。真の仕事は舞台裏で行われ、スポットライトを浴びることなく、プログラムにも名前が載らない人々によって支えられています。この舞台裏の仕事は、主にネパール人、特に「シェルパ」という尊敬される姓を持つ人々が担っています。彼らにとって、登山は生活そのものであり、多くは18歳か19歳で父親や祖父の足跡をたどり、ガイドやポーターとして働き始めます。

エベレストベースキャンプ(EBC)での生活は、標高5,364mという過酷な環境下で行われます。酸素レベルは海抜の約半分であり、高山病のリスクが常に伴います。シェルパたちは、登山隊の安全確保、ルート設定、荷物運搬、キャンプ設営など、多岐にわたる任務を遂行します。彼らは、登山者が快適に過ごせるよう、テントの設営から食事の準備、さらには精神的なサポートまで行います。しかし、この仕事は極めて危険であり、雪崩、落石、クレバスへの転落、凍傷、高山病など、常に命の危険に晒されています。特に、アイスフォールと呼ばれるクンブ氷河の危険なセクションを何度も往復し、ロープやはしごを設置する「アイスフォール・ドクター」の仕事は、その中でも最も危険なものの一つです。

なぜ彼らは危険な仕事を選び続けるのか
シェルパたちがこのような危険な仕事を選び続ける理由は、経済的な側面が大きく影響しています。エベレストでの仕事は、ネパール国内の他の仕事と比較して高収入を得られる機会を提供します。これにより、彼らは家族を養い、子供たちに教育を受けさせ、より良い生活を送ることを可能にしています。しかし、この経済的インセンティブの裏には、彼らの文化や伝統、そして山への深い敬意が存在します。彼らにとって、山は聖なる場所であり、そこで働くことは誇りでもあります。また、多くのシェルパは、幼い頃から山で生活し、その環境に適応する身体能力と精神力を培ってきました。彼らは、登山者とシェルパの間に築かれる信頼関係を重視し、チームの一員として成功を分かち合うことに喜びを感じています。

しかし、近年では、気候変動による山の状況の変化や、商業登山隊の増加に伴う過密化など、新たな課題も浮上しています。これらの変化は、シェルパたちの仕事の危険性をさらに高め、彼らの生活に影響を与えています。それでもなお、彼らはエベレストの舞台裏で、登山者たちの夢を支え続けています。彼らの存在なくして、エベレスト登頂は不可能であり、彼らこそが真の英雄と言えるでしょう。
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