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Mountain Journal 🇺🇸

公有地ルール、撤廃へ

Public Lands Rule Goes Away

公共地の管理方針転換と「ロードレス・ルール」の行方
米国における公共地の管理方針が、現政権下で大きく転換期を迎えています。特に注目されているのが、森林サービスが管理する特定の国有林において道路建設を禁止する「ロードレス・ルール」の扱いと、公共地の「多目的利用」原則からの逸脱です。元BLM(土地管理局)局長であるトレイシー・ストーン=マニング氏は、現政権のアプローチを「石油・ガス開発という単一の支配的利用を目的としたもの」と厳しく批判しています。彼女は、現政権が公共地の「多目的利用」を信じておらず、「エネルギー支配」を求めていると指摘しています。

「多目的利用」原則の危機と環境保護への影響
「多目的利用」とは、公共地をレクリエーション、野生生物保護、木材生産、鉱物採掘、放牧など、多様な目的のために管理するという長年の原則です。しかし、現政権は、この原則から逸脱し、特に化石燃料開発を優先する傾向が顕著です。これにより、これまで保護されてきた広大な原生地域が開発の脅威にさらされる可能性が高まっています。例えば、アラスカ州のトンガス国有林では、ロードレス・ルールが撤廃され、伐採や道路建設が許可される動きがありました。これは、気候変動対策や生物多様性保護の観点から、環境保護団体や先住民コミュニティから強い反発を招いています。公共地の管理方針の変更は、単に土地利用の問題に留まらず、生態系の健全性、地域経済、そしてアウトドアレクリエーションの機会にも大きな影響を及ぼします。

「保全」と「利用」の定義を巡る議論
記事は、「利用(use)」を「何らかの目的のために用いること」と定義し、「保全(conserve)」を「損失、腐敗、浪費から守ること」と定義しています。そして、「保全は利用なのか?」という問いを投げかけています。これは、公共地の管理において、開発と保護のバランスをどのように取るべきかという根源的な議論を提起しています。現政権の方針は、短期的な経済的利益を追求する「利用」を優先し、「保全」を軽視していると解釈できます。しかし、長期的な視点で見れば、公共地の健全な保全こそが、持続可能な利用を可能にし、未来世代に豊かな自然を残す上で不可欠です。この議論は、アウトドア愛好家にとっても、自分たちの活動の場がどのように管理されるかという点で、極めて重要な意味を持ちます。公共地の管理方針は、自然環境だけでなく、アウトドア文化そのものの未来を左右する問題と言えるでしょう。
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