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クライミング
Climbing Magazine 🇺🇸

レッドロックスで起きた奇妙なギア故障。頭から落下したクライマーはいかに生還したか

A Bizarre Gear Failure Led to a Giant Headfirst Whipper in Red Rocks. Here’s How the Climber Survived.

レッドロックスでの奇妙なギア故障と墜落事故
2023年11月、レッドロックスのダークシャドウズウォールで、クライマーのジョシュ・マクドナルドが頭から墜落するという重大事故が発生した。ラスベガス都市圏警察署(LVMPD)の捜索救助隊員であるジャレッド・ウィックスは、救助ヘリコプターからでも、岩壁に付着した大量の血痕を視認できるほど、状況は深刻だった。マクドナルドは、パートナーのジェイコブ・ジョンソンと共に、マルチピッチルート「ダークシャドウズ」(5.10c)を登攀中だった。事故は、ルートの最終ピッチ、5.10cのクラックセクションで発生した。マクドナルドは、カムとナッツでプロテクションを設置しながら登っていたが、最終的に設置したプロテクションが機能せず、約20フィート(約6メートル)下まで墜落した。この際、彼は頭から岩に激突し、意識を失った。ジョンソンは、マクドナルドが意識を失い、ロープにぶら下がっているのを見て、すぐに911に連絡した。

事故の原因と救助活動
事故の原因は、マクドナルドが墜落する直前に設置した「ワイルドカントリー・ヘックスセントリック」というパッシブプロテクションのギア故障だった。彼はヘックスセントリックをクラックに設置し、カラビナをクリップしたが、墜落時にヘックスセントリックがクラックから抜け落ちた。通常、ヘックスセントリックはクラックの形状に沿って設置され、荷重がかかると食い込んで固定されるはずだが、この時は機能しなかった。マクドナルドは、ヘックスセントリックが適切に設置されていなかった可能性を指摘している。救助隊は、ヘリコプターでマクドナルドをピックアップし、地上の医療チームに引き渡した。彼は頭蓋骨骨折、脳内出血、鼻骨骨折、眼窩骨折、鎖骨骨折、肋骨骨折、肺挫傷、脾臓損傷、そして広範囲にわたる擦り傷と打撲傷を負っていた。しかし、奇跡的に脊髄損傷はなく、命に別状はなかった。

教訓と回復
マクドナルドは、この事故からいくつかの重要な教訓を得た。一つは、プロテクションの設置方法を再確認することの重要性。特にパッシブプロテクションは、クラックの形状とギアの適合性を慎重に判断する必要がある。また、ヘルメットの着用が彼の命を救ったと強調している。彼はブラックダイヤモンドのヘルメットを着用しており、それが頭部への衝撃を和らげた。事故後、マクドナルドは数週間の入院とリハビリを経て、驚異的な回復を見せている。彼はすでにウォーキングを開始し、クライミングへの復帰も視野に入れている。この事故は、クライミングにおけるリスク管理と、適切なギアの選択・使用の重要性を改めて浮き彫りにした。
実践ヒント
  • パッシブプロテクション(ナッツ、ヘックスセントリックなど)を使用する際は、クラックの形状とギアの適合性を慎重に確認し、確実に設置されているか複数回チェックする。
  • マルチピッチクライミングでは、常にヘルメットを着用し、頭部保護を怠らない。墜落時に頭部への衝撃を軽減し、重篤な怪我から身を守る。
  • 万が一の事故に備え、パートナーとのコミュニケーションを密にし、緊急時の対応手順(911への連絡方法、負傷者の状態報告など)を事前に確認しておく。
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