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登山・ハイキング
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エベレストの「致命的な遅延」が引き起こす、混雑と渋滞への不安

A Critical Delay on Mount Everest Is Raising Anxieties Over Crowding and Congestion

エベレスト春季登山シーズン、異例の遅延が混雑への懸念を増大
ネパールのエベレストベースキャンプでは、春季登山シーズンの公式開始を待つ登山家たちの間で不安が高まっています。例年より遅れているクンブ氷瀑のルート整備が原因で、登山隊は未だ山頂への挑戦を開始できていません。この異例の遅延は、シーズン後半の山頂ルートの混雑とそれに伴う危険性の増大への懸念を引き起こしています。通常、エベレストの春季登山シーズンは4月上旬に始まり、5月下旬にモンスーンが到来するまでの約2ヶ月間が主要な期間となります。しかし、今年は4月15日を過ぎてもルートが未開通の状態が続いており、これは過去数十年で最も遅いスタートの一つとされています。ガイド会社「Summit Climbs」のアメリカ人ガイド、ダニエル・マズール氏は「心配し始めている」と語り、多くの登山家が同様の不安を抱いています。

クンブ氷瀑の難航と「アイスフォール・ドクター」の奮闘
クンブ氷瀑は、エベレスト登山における最も危険なセクションの一つであり、常に変化する氷河の動きによってルートが崩壊しやすいため、専門家チーム「アイスフォール・ドクター」が毎年ルートの設置と維持を担当しています。彼らは、クレバスに梯子を架けたり、ロープを固定したりして、登山家が安全に通過できるルートを確保します。しかし、今年は異常な量の積雪と不安定な氷の状態が彼らの作業を著しく困難にしています。特に、アイスフォール・ドクターがルートを設置する上で重要な役割を果たす「ポップコーン・フィールド」と呼ばれるエリアで、例年よりも多くのクレバスが発生し、作業が難航していると報じられています。この難航により、通常であれば4月上旬には開通するはずのルートが、大幅に遅れています。この遅延は、登山隊のスケジュールに大きな影響を与え、多くの登山家がベースキャンプで待機せざるを得ない状況です。

混雑と安全への懸念、過去の悲劇の再来か
ルート開通の遅延は、限られた登山期間に多くの登山家が集中することになり、山頂ルートの混雑を引き起こす可能性が高いと指摘されています。過去には、2019年に山頂付近で深刻な混雑が発生し、酸素不足や凍傷、疲労による死亡事故が多発しました。この年の混雑は、ネパール政府が発行する登山許可証の数の増加も一因とされています。今回の遅延により、登山家たちはより短い期間で山頂を目指すことになり、それが再び混雑とそれに伴う安全上のリスクを高めるのではないかという懸念が広がっています。登山家たちは、天候の窓が限られる中で、一斉に山頂を目指すことになり、特にヒラリー・ステップのようなボトルネックとなる場所での渋滞が予想されます。このような状況は、登山家個人の体力や判断力だけでなく、ガイドやシェルパの適切な管理能力も試されることになります。
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